不動産所得がある人が死亡した時の準確定申告のポイント6つ

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準確定申告のポイント

相続対策で不動産所得がある人にとって確定申告は年中行事なので慣れている人も多いと思う。

しかし、亡くなった後のことまで考えている人は少ない。

いざ相続が発生すると、相続人が亡くなった人に代わって不動産所得の確定申告をしなければならない。

被相続人には慣れた作業である確定申告も、相続人にとっては初めての税金の申告かもしれない。

そこで、相続人ために不動産所得がある人が亡くなった場合の、確定申告(いわいる準確定申告)のポイントを紹介する。

この記事を読んで、落ち着いて準確定申告に臨んでもらいたい。なお、自分で出来ない場合は無理せず当事務所を頼ってほしい。

準確定申告が必要な人と申告した方がいい人

まず不動産所得があるからといって、必ず準確定申告が必要というわけではない。

不動産所得があり毎年確定申告が必要な人が亡くなった場合は、相続人は準確定申告が必要になる。

しかし、不動産所得がマイナスの人は、その他の収入が少額の年金だけであれば基本的には申告は必要ない。

ただし、源泉徴収税額がある場合は、準確定申告をすることで税金の還付を受けられることがある。

そんな場合は、申告の手間と還付金額を天秤にかけて申告するか判断して欲しい。

準確定申告の期限は亡くなってから4ヶ月以内

通常の確定申告は1月から12月までの所得を計算し、翌年3月15日までに申告する。

しかし準確定申告の期限は、亡くなった日から4ヶ月以内のため、葬儀や法要などで忙しい相続人にとっては、期限はすぐにやって来るため注意したい。

なお、相続放棄や限定承認は亡くなってから3ヶ月以内に家庭裁判所に対して手続きするため、亡くなった人に債務が多い場合は忘れずに手続きして欲しい。

準確定申告で必要な書類は相続人が集める

準確定申告をする場合は、必要書類を集めなければならない。

サラリーマンであれば、年末調整で必要な書類と同じものもあるため馴染みがあるかもしれない。

しかし、全く知識がない相続人にとっては、戸惑うこともあるため、早めに関係機関に請求しておいて欲しい。

次の書類のうち、亡くなった人に必要があるものを請求してほしい。※( )は請求先

  • 給与の源泉徴収票 (会社)
  • 年金の源泉徴収票 (年金機構)
  • 年金の控除証明書 (市区町村)
  • 生命保険の控除証明書 (保険会社)
  • 地震保険の控除証明書 (保険会社)
  • 寄付金の控除証明書 (寄付先)
  • 健康保険料・介護保険料 (市区町村)
  • 医療費の領収証 (病院)

不動産所得の計算ポイントは賃貸収入と固定資産税

準確定申告で不動産所得を計算する場合の不動産収入のポイント

不動産所得を計算するうえでポイントの一つとなるのが、いつまでの不動産収入を計上するかだ。

方法としては、「亡くなった日の属する月末までの分を計上する方法」と「亡くなった日までの分を計上する方法」がある

どちらの方法で計上しているかは、前年以前の確定申告書と帳簿をチェックして欲しい。

賃貸契約では『当月末までに翌月分を支払う』ものが多いが、帳簿で支払日に収入を計上していたら「亡くなった日の属する月末までの分を計上する方法」で処理しているはずだ。

対して、帳簿で収入を前受処理している場合は、発生主義で計算しているため、「亡くなった日までの分を計上する方法」で処理している。

どちらで処理しているかは、前年以前の帳簿でチェックしてみよう。

準確定申告で不動産所得を計算する場合の固定資産税のポイント

固定資産税は、納税通知書が亡くなる前に届いているか、届いていないかで計算方法が異なる。

固定資産税の納税通知書が亡くなる前に届いている場合は、次のいずれかの金額を選択できる。

  • 一年分の固定資産税
  • 納期到来分の固定資産税
  • 実際に納付した固定資産税

どれを選んでも誤りではないが、賃貸物件を相続した後の相続人の確定申告では、準確定申告で経費にした分は経費にできないので注意したい。

一方、固定資産税の納税通知書が亡くなった後に届いた場合は、準確定申告で固定資産税を経費にはできない。

ただし、亡くなった人の相続税の計算では、債務控除の対象になるので忘れずに控除したい。

[関連記事]

損しないために!相続税の債務控除が可能な税金まとめ

準確定申告の医療費控除と扶養控除のポイント

準確定申告の所得控除を受ける場合の医療費控除のポイント

準確定申告で医療費控除を受ける場合のポイントは、医療費の支払日が亡くなる前か亡くなった後かで税金の種類が異なる点だ。

医療費を支払ったのが、亡くなる前の場合は、亡くなった人の準確定申告で医療費控除を受けることが出来る。

なお、亡くなった人と生計を一にしていた人の医療費も同じ基準となる。

一方、医療費を支払ったのが、亡くなった後の場合は、準確定申告で医療費控除を受けることができない。

あくまで医療費控除の対象は、亡くなる日までに支払った分の医療費に限定される。

ただし、亡くなった後に支払った医療費は、亡くなった人の相続税の計算で、債務控除の対象になるため、医療費の領収証は捨てずに保管しておいて欲しい。

扶養控除と配偶者控除の所得要件は年末で判断

扶養控除や配偶者控除を受ける要件には、対象者の所得が38万円以下でなければならない。

この判断は通常の確定申告では、12月31日時点で判断されるが、準確定申告でもこれは同じである。

準確定申告だからといって、亡くなった日の所得で判断しない点に注意したい。

そのため、賃貸物件の分割次第では、年末時点では、扶養控除や配偶者控除の要件からはずれる可能性があり、その場合は準確定申告の修正申告が必要なる可能性もあるため注意したい。

扶養控除や配偶者控除は、年末の状況を予想することが必要になる。

準確定申告で提出する申告用紙

準確定申告書は確定申告書の用紙と同じ

準確定申告書の用紙は、特別の用紙があるわけではなく通常の確定申告書を使い回す。

一表のタイトルの「確定申告書」の”確”の前に吹き出しで”準”とボールペンで書くだけで、準確定申告の用紙に早変わりする。

また、右上の隅の空白に「相続人代表の氏名」と「相続開始年月日(亡くなった日)」を書いておけばOKだ。

国税庁ホームページでは、オンラインで確定申告書を作成できるコーナーが設けられている。

準確定申告書を国税庁ホームページの確定申告書作成コーナーで作成する場合は、書面提出を選択したうえで、必要事項を記入すれば問題ない。

準確定申告書の付表を忘れずにつけよう

準確定申告書には、相続人の情報と納税額を記載した「付表」を添付する。

相続人が2人以上いる場合は、納税額を分担するため(しなくてもOK)、それぞれの相続人の納税額を記載した付表を添付する。

なお、所得税だけでなく消費税の準確定申告書を提出する場合は、消費税の付表を添付する。

書き方は、付表の裏に書いてあるので参考にして欲しい。

[参考ページ]

所得税の準確定申告書の付表

消費税の準確定申告書の付表

引用┃国税庁ホームページ

還付金を代表者一人でもらう場合は委任状が必要

先ほどの付表には、相続人ごとの還付金額と受け取り場所を記載することが出来る。

ただし、相続人を代表して一人がすべての還付金を受け取ることも出来る。

この場合は、還付金請求書と他の相続人の印鑑を押した委任状を、準確定申告書に添付する。

なお、還付金請求書と委任状には、正式な書式がないため、管轄の税務署に聞いてみるのが簡単な方法だ。

不動産を取得した相続人が出すべき書類

不動産を取得した相続人は、事業に関する届出書を間関の税務署に提出しなければならない。

なぜなら、亡くなった人が出していた届出書の権利は、相続には引き継げないためだ。

青色申告の届け出など、出すだけでメリットがあるため、忘れずに提出しておきたい。

[関連記事]

貸家を相続した相続人が必ず出すべき3つの届出書と期限

まとめ:少額であれば自分だけで準確定申告書は出来る

準確定申告書を作成する場合のポイントを紹介した。

地主ではなく、少額の不動産所得であれば自分だけで準確定申告書は作ることが出来る。

国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーを使う場合は、書面提出を選択したうえで、追記事項を記入し、かつ付表などの添付書類は手書きで作成すれば問題ない。

なお、地主で不動産収入が多い場合や、忙しくて期限までの時間がない場合は、無理せず専門家である税理士に頼んだ方が良い。

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