2016│相続人が外国に住んでいる場合の相続手続きガイド

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相続人が外国に住んでいる場合は、相続税の手続きが通常と異なる。

この違いを知らないことで、思わぬトラブルになる可能性もある。

例えば、平成27年度改正で創設された国外転出時課税制度で思わぬ譲渡税が発生する可能性がある。

そこで、相続人が外国に住んでいる場合の、相続税の手続についてまとめた。

なお、この記事は、2016年1月時点のおおまかな流れを記事にしたもののため、詳しくは税務署等に再度確認してほしい。

改正で非居住者の課税範囲は拡大

改正により、非居住者に対する相続税の課税範囲が拡大された。

具体的には、非居住者であっても、日本国籍があり、その相続人または被相続人が相続開始前5年以内のいずれかの時点で日本国内に住所があった場合には、居住者と同じく国内財産・国外財産ともに相続税の課税対象となる。

[参考ページ]

相続人が外国に居住しているとき

タックスアンサー№4138│国税庁ホームページ

納税管理人の届け出

相続人が外国に住んでいる場合は、相続税の納税や手続きがスムーズに進まない。

そこで、日本に住んでいる人に管理してもらう手続きがあり、それを『納税管理人』という。

納税管理人を選任するには、税務署に納税管理人の届け出をする必要がある。

[参考ページ]

相続税・贈与税の納税管理人の届出手続

引用│国税庁ホームページ

遺産分割協議書の作成しようにも実印がない

遺産の分割方法を決めた遺産分割協議書には、相続人の実印を押印し、印鑑証明書を添付する。

しかし、非居住者は外国に住んでいるため、住民票がない。つまり印鑑証明書がないことになる。

そこで、外国にある日本領事館で在留証明願の提出をし、かつ署名捺印証明書の申請をすることになる。

遺産分割協議書には、印鑑証明書の代わりに、署名捺印証明書を添付することになる。

ただし、この手続きは国によって異なるため、それぞれの国ごとに確認する必要がある。

[参考ページ]

『在留証明願』

引用│在ワイキキ日本国総領事館

『署名捺印申請書』

引用│在ニューヨーク日本国総領事館

居住者と非居住者で異なる相続税の計算

居住者と非居住者で相続税の計算がいくつか異なる。

便宜上、専門用語を使うため、くわしく知りたい人は、税務署等で確認してほしい。

相続税の課税範囲

  • 居住無制限納税義務者・・・国内財産・国外財産
  • 非居住無制限納税義務者・・・国内財産・国外財産
  • 制限納税義務者・・・国内財産のみ

債務控除

  • 居住無制限納税義務者・・・控除可能
  • 非居住無制限納税義務者・・・控除可能
  • 制限納税義務者・・・課税財産の関する債務のみ控除可能

葬式費用

  • 居住無制限納税義務者・・・控除可能
  • 非居住無制限納税義務者・・・控除可能
  • 制限納税義務者・・・控除不可能

未成年者控除

  • 居住無制限納税義務者・・・控除可能
  • 非居住無制限納税義務者・・・控除可能
  • 制限納税義務者・・・控除不可能

障害者控除

  • 居住無制限納税義務者・・・控除可能
  • 非居住無制限納税義務者・・・控除不可能
  • 制限納税義務者・・・控除不可能

国外転出時課税(出国税)の創設

資産の海外移転による税金回避を防止するために、富裕層を対象に国外転出時課税制度(いわいる出国税)が新しくつくられた。

相続人が非居住者の場合に、一定の有価証券などの対象資産を相続させると、相続税ではなく、譲渡税として所得税を課税する。

被相続人から相続人に譲渡したものとするため、相続開始から4ヶ月以内に申告する最後の確定申告(準確定申告)で申告納税しなければならない。

ただし、この規定には、担保の提供による最長10年の納税猶予や、相続開始から5年以内の帰国による所得税の取り消しなど、複雑な規定があるため、注意が必要になる。

そもそも、複雑な規定と手間の多さを考えると、非居住者は対象資産を相続しないほうがいいかもしれない。

[参考ページ]

国外転出時課税制度

引用│国税庁ホームページ

まとめ:相続人が外国に住んでいる場合は手続きが通常より増える

相続人が外国に住んでいる場合の、相続税の手続きについてまとめた。

手続きは通常の相続よりも多くなることが分かってもらえると思う。

この他にも、外国にいる相続人との連絡など、遺産分割のスケジュール調整も難しくなる可能性が考えられる。

グルーバル化が進むと、このようなケースが増えることが予想されるため、事前の想定が必要になるかもしれない。

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